こんにちは。4歳の娘を子育て中のごっこランドTimesライターのあおのです。
日本の年中行事のなかでも有名な節分。多くの幼稚園・保育園では豆まきをしますし、ご家庭でも節分のお祝いをすることが多いのでは。
でもそもそもどうして節分に豆まきをするのでしょうか?節分の意味をはじめ、節分に関する気になる疑問を詳しくご紹介します!
節分とは?由来と目的
季節が始まる日は暦上で決まっており、「立春(りっしゅん」「立夏(りっか)」「立秋(りっしゅう)」「立冬(りっとう)」と呼ばれています。この季節のはじまる前日のことを節分と言います。節分は漢字が示す通り「季節の分かれ目」のことで、昔は年に4回の節分がありました。
昔の日本では季節の変わり目には邪気(目に見えない悪いもの)が入り込むと考えられており、追い祓うための行事を行っていました。特に1年のはじまりである「立春」は大切な日で、前日にあたる節分(大晦日)は、邪気を祓い新年を迎える準備をする日でした。次第に節分といえば立春の前日を指すようになり、現在の節分になったと言われています。
節分はなぜ2月3日なの?
節分といえば2月3日だと思っている方がほとんどだと思います。実際、2023年の節分は2月3日(金)です。ですが節分は立春の前の日であり、日にちは固定されていません。
地球は太陽の周りを約1年かけて一周しますが、この1年は正確には365日と6時間弱です。地球の公転周期によって立春も少しずつずれるため、年によって2月2日になったり2月4日になったりすることもあるんです。
ちなみに1984年は2月4日、2021年は2月2日が節分でした。2月2日が節分になったのは、なんと1897年以来、124年ぶりだったそうです!
なぜ節分では豆まきをするの?意味と由来
そもそも、なぜ節分に豆まきをするのでしょうか?由来や意味を見ていきましょう。
豆まきをするようになったのは室町時代
節分に豆まきをするようになったのは、室町時代に入ってから。
元々、豆まきの起源は中国が大晦日に行っていた「追儺(ついな)」という鬼祓いの行事からきています。これが奈良時代に日本に伝わり、平安時代に宮中の大晦日の行事に取り入れられました。
立春は一年のはじまりである大切な日であり、前日にあたる節分(大晦日)には陰陽師たちによって「追儺(ついな)」が行われていました。そしてその行事の「豆打(まめうち)」が室町時代には「豆まき」へと発展。庶民の間に広まり定着したと言われています。
魔目(鬼の目)を追い祓うため
日本人は昔から言霊(ことだま)を信じ生活に取り入れてきました。言霊とは「言葉には力が宿る」という考え方です。たとえばお正月に健康を願ってお供えする鏡餅。このお餅を料理用などに切り分けるとき、縁起が悪いため「切る」「割る」という言葉は使わず、「開く」という言葉を使います。
同様の考え方で、豆は「魔目(まめ)」と「魔滅(まめ)」の2つの言霊があると昔の人は考えていました。「魔目(まめ)=鬼の目」を「魔滅(まめ)=滅ぼす」という意味合いがあり、豆によって鬼を退治できるというわけです。
また京都では、鞍馬山に鬼が出たときに大豆を鬼の目に投げつけ退治できたという伝説も残っています。
炒った豆を使うわけは?
昔の日本人は、豆から芽が出ると「凶事が起こる」と恐れていました。生の豆だと芽が出る可能性があるため、豆まきには炒った豆を使います。
また豆を「炒る」ことは鬼を「射る」にも通じます。さらに、自然界のすべてのものを5つの要素(木・火・土・金・水)の五行に分けて考える陰陽五行説では、大豆や鬼は「金」にあたります。大豆を炒ることで「火」の作用が働き、鬼を封じ込め、さらに大豆を食べることで鬼を退治することになるのです。
節分の「鬼」とはそもそも何?
科学が発達していなかった昔、飢饉や災害、はやり病などの人々の力ではどうにもできない出来事はすべて邪気の仕業だと考えられていました。節分の鬼とはこの邪気のことを言います。
実態のある鬼と認識されはじめたのは平安時代に入ってから。これは仏教の思想が影響しています。そして「この世のものでない」という意味の「隠(おぬ)」が転じて「鬼(おに)」になったと言われています。
節分の正しい豆まきのやり方
本来、豆まきは一家の主が行っていましたが、最近では年男や年女、厄年の人が行う場合が多いようです。
実はこの豆まきには、正しいルールや手順があります。
【豆まきの正しい手順】
- 前日までに福豆(節分用の豆)を炒って、神棚に供えておく。
- 玄関、窓、戸口などを開ける。
- 桝に入れた福豆を左手で持ち、胸のあたりに掲げる。
- 右手で福豆を取り下手投げのようにして、奥の部屋から順番に「鬼は外!」「福は内!」とまく。
- 巻き終わったら、再び鬼を家に入れないためにすぐに戸締りをする。
- 次に部屋のなかに向かって、「福は内!」と福豆をまいていき、最後に玄関に豆をまいて終了。
- 豆まきの後は、1年の厄除けを願って年齢よりも1個多くの福豆を食べる。
家に神棚がない場合は、白い紙の上に福豆をのせ、なるべく目線より高い場所に置いておきます。鬼は深夜(丑寅の刻=午前0時前後の2時間)にやってくると言われています。そのため豆まきは午後8:00〜10:00に行うようにしましょう。
節分で食べる豆の数は?
節分には「来年も健康で幸せに過ごせるように」という願いを込めて、年齢+1個の豆を食べます。この“年齢の数”を、数え年・満年齢で数えるかは地域などによって異なり、決まりはありません。
現在は誕生日にひとつ年を取るのが当たり前ですが、昔の日本では1月1日にひとつ年を取る「数え年」という考え方が主流でした。新しい年の健康を祈ることが目的なので、家庭ごとに食べやすい数を決めてくださいね。
5歳以下の子供には、豆まき用の豆を食べさせない
小さな子供は、口のなかで豆を細かく砕いて飲みこむ力が十分ではありません。喉に詰まらせたり、気管に入って肺炎や気管支炎になったりするリスクがあります。そのため5歳以下の子供に豆まき用の豆を食べさせるのはNG。
豆を食べさせる場合は、柔らかく煮たものを用意するのがおすすめです。また誤飲の恐れがありますので、豆まきをした後は室内に豆が落ちていないかしっかりと確認するようにしてください。
※参考:消費者庁「Vol.540 もうすぐ節分。硬い豆やナッツ類は5歳以下の子どもには食べさせないで!」
節分に恵方巻きを食べるのはなぜ?
今ではすっかり全国に定着した恵方巻きですが、元々は関西の風習でした。大阪の花街で節分のお祝いや商売繁盛を祈ったのがはじまりで、「丸かぶり寿司」や「太巻き寿司」と呼ばれていました。
これが「恵方巻き」と呼ばれるようになったのは陰陽道が関係しています。「恵方」とは陰陽道で、幸福と財産を司る神様がいる方向を指します。恵方に向かって何かを行えば「すべてが吉」になると言われ、次第に節分に食べる巻き寿司は「恵方巻き」「恵方寿司」と呼ばれるようになりました。
また恵方巻きは七福神にちなんで7種類の具材が入れられることが多いですが、最近では巻き寿司に限らずロールケーキやスイーツ系、キャラクターとコラボした商品もあります。
恵方巻きの食べ方
恵方巻きは、丸ごと一本を恵方に向かって食べます。食べているときはしゃべらないようにしましょう。無言で一本を食べることで、「縁を切らない」「福や商売繁盛の運を一気にいただく」と言われています。
地域による節分の違い
地域によって豆まきの掛け声や豆まきの種類も異なります。いったいどんな違いがあるのでしょうか?
掛け声の違い
節分と言えば、「鬼は外、福は内」が一般的な掛け声ですよね。ですが鬼に対する考え方や言い伝えなどによって、「鬼は内!」と掛け声をする地域もあるんです!
群馬県・鬼石地域:「福は内、鬼は内」
群馬県の鬼石地域は、鬼が投げた石で町ができたという言い伝えがあります。悪い鬼だけではなく良い鬼もいると考えられているため、鬼を招き入れる掛け声をします。
紀伊半島や伊勢志摩地域:「鬼は内、福は内」
昔の紀伊半島や伊勢志摩地域は、九鬼(くき)という領主が治めていました。領主の名前がついている「鬼」を追い出す掛け声は使えず、「鬼は内、福は内」という言い方になったそうです。
旧二本松地域(現在の福島県二本松市):「福は内、鬼、外」
旧二本松地域の領主は「丹波(にわ)」という名前でした。「鬼は外」という掛け声だと、「お、にわそと」と聞こえてしまいます。そのため「鬼、外」という掛け声になりました。
鬼子母神を祀る地域:「福は内、鬼は内」
鬼子母神は安産や子育ての神様です。そのため鬼子母神を祀る地域でも「福は内、鬼は内」と、鬼を招き入れる掛け声を使います。
豆の種類の違い
北海道・東北・信越・鹿児島・宮崎では、節分には落花生をまきます。その理由は北海道や東北地方は雪が多く、大豆よりも大きな落花生の方が豆まきの後の掃除が楽だからと言われています。
ちなみに同じ東北地方の山形県では、地元の銘菓である「でん六豆」をまくことが多いんだとか。また鹿児島や宮崎で落花生が使われるのは、落花生の産地だからだそう。
一方、落花生の産地である千葉県は落花生ではなく豆をまくそうです。
節分に食べるものは恵方巻き?
恵方巻きは現在では全国で食べられるようになっていますが、最近までは関西地域の行事食でした。行事食とは、季節ごとの行事やお祝いに食べる特別な料理のこと。節分に食べる行事食は恵方巻きだけではなく、地域によってさまざまなものがあります。
関西地域:「恵方巻き」
今では節分には欠かせない恵方巻きですが、じつは関西地方の伝統でした。その年の恵方を向いて無言で一本の恵方巻きを食べると、福を招くと言われています。
関東地域:「けんちん汁」
元々は、恵比寿様を祝って商売繁盛を願う「えびす講」や稲荷神のお祭りを行う「初午(はつうま)などの冬の行事に、体を温めるために食べられていました。冬の行事に良く食べられていたことから、節分にも食べる行事食になったと考えられています。
四国地域:「こんにゃく」「なまこ」
節分の2月3日は旧暦では大晦日にあたります。からだもきれいに掃除するという意味も込めて、便秘に効く「こんにゃく」や「なまこ」を食べ始めたと言われています。
京都などの西地域:「鰯(いわし)」
鰯(いわし)の独特のにおいや焼くときの煙が鬼を退けると言われ、節分に食べられていました。また奈良や福島、関東の一部の地域では、柊(ひいらぎ)の鰯の頭をつけた「柊鰯(ひいらぎいわし)」を厄除けとして玄関先に飾る風習もあります。
節分に子供に体験させたい遊び
子供に節分への興味をもっともらうため、豆まきだけではなくほかの遊びも楽しんでみてはいかがでしょうか?節分におすすめの遊びをご紹介します☆
節分を絵本で読む
節分が近づいてきたら節分に関する絵本を読んであげましょう。節分をより身近に感じられますよ。
節分に読むおすすめ絵本|おにはそと
子供たちに豆をまかれて逃げ出す鬼たち。逃げ遅れたちび鬼は人間の子供たちと遊びはじめます。ちび鬼が捕まったと慌てた鬼の親分が、ちび鬼を助けに行きますが……
大ベストセラー作家、せなけいこさんが描いた節分の絵本。節分に読むのにぴったりですよ☆
節分に読むおすすめ絵本|せつぶんワイワイまめまきの日!
弱虫のタカシのもとに現れた鬼の子供のキッチ。タカシはキッチといっしょにいじめっこになってしまったツヨシの所に向かいます。
読んだ後に心が温かくなるだけでなく、意地悪をすることへの戒めにもなる絵本です。
節分に読むおすすめ絵本|おなかのなかにおにがいる
おなかのなかに住んでいるオニは、おなかの主人と同じ性格。食いしん坊で甘えん坊、その上、泣き虫にへそ曲がり。主人公は節分の日に豆をまいてオニを追い出そうとします。
誰の心にもオニはいて、それを退治したいと思わせてくれる一冊です。
鬼のお面を作る
豆まきに使う鬼のお面を手作りするのも楽しいですよ。
まずは紙皿や顔の形に切った段ボール、厚紙などに鬼の顔を描きます。目の部分をカッターなどで切り落とし、左右にパンチで穴を開けてゴムを通します。最後に折り紙などで作った鬼の角を貼ったら完成!おうち時間の工作としてもおすすめです!
ほかにも2月の行事をチェック
2月には節分以外にもさまざまな行事があります。たとえば日本の祝日である「建国記念の日」や暦の上で春がはじまる「立春」、4年に1度だけある「うるう年」など。それぞれの行事を知ればより楽しく感じられますよ。子供と一緒にチェックしてみてくださいね!
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昔の日本には節分が年に4回もあったことや地域によって豆まきの掛け声やまくものが違うなど、知っているようで知らなかった節分のこと。意味や由来を知って、もっと節分を楽しんでくださいね!
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