「『長靴をはいた猫』を子供に読んであげたいけれど、どんな話だったかな?」と気になっているママ・パパに向けて、物語の概要をまとめました。
「長靴をはいた猫」はヨーロッパの民話
「長靴をはいた猫」は、ヨーロッパに伝わる民話です。フランスの詩人・作家、シャルル・ペローによる児童文学「ペロー童話集」(1697年)に収録されていたものがよく知られています。
ペロー童話は、ドイツのグリム兄弟によって広まった「グリム童話」と並んで有名な童話です。ペロー童話集には「眠れる森の美女」「赤ずきんちゃん」「シンデレラ」など、現代でも人気の物語も収録されていますよ。
この記事では、国立国会図書館 国際子ども図書館「絵本ギャラリー」で公開されている「長ぐつをはいた猫」(ロンドン:ジョージ・ラウトリッジ・アンド・サンズ出版、1875年刊行)を参照しています。
「長靴をはいた猫」の登場人物
まずは、登場人物を知っておきましょう。「長靴をはいた猫」の主な登場人物を紹介します。登場人物は比較的少ないので、物語も読み進めやすいですよ。
猫
物語の主人公。聡明で、主人である三男がいい暮らしができるようにはたらきかけます。
三男(猫の主人/カラバ侯爵)
粉ひきの遺産として猫をもらうことになった、三兄弟の末っ子。猫によって「カラバ侯爵」という名を与えられます。
王さま
猫が貢物をすることで仲良くなります。
お姫さま
王さまの娘。最終的に三男と結婚することになります。
人食い鬼
広大な土地を持ち、立派なお城に住んでいます。
「長靴をはいた猫」のあらすじ
ここからは、「長靴をはいた猫」のあらすじを簡単にまとめて紹介します。
三男は遺産として猫をもらう
ある粉ひきが、3人の息子に遺産として水車小屋、ロバ、猫を譲ると言い残し亡くなりました。長男が水車小屋、次男がロバをもらったため、三男は猫をもらうことになります。猫だけでは飢え死にするかもしれないと困り果てる三男に、猫は「いい暮らしができるようにするので、長靴をはかせてほしい」と言いました。
猫は王さまと仲良くなる
猫は毎日長靴をはいて出かけ、さまざまな獲物を捕まえては宮殿に持っていき、王さまに 「主人のカラバ侯爵からの贈り物です」と献上するようになりました。猫と王さまは次第に仲良くなります。
猫の根回しで三男はカラバ侯爵に
ある日、猫は三男に「川で水浴びをすること」「名前をカラバ侯爵と名乗ること」を伝えます。川の近くに王さまがやってきたとき、猫が「カラバ侯爵が溺れてしまう!助けて!」と王さまに助けを求めました。三男は王さまに助けられ、極上の服を着せてもらい、お姫さまにも紹介されました。
猫は先回りして、農民たちに「王さまが来たら、この辺りの土地はカラバ侯爵の領地だと答えるように」と伝え、侯爵の名を広めます。
猫の活躍で裕福な暮らしを手に入れる
猫は、広大な土地を所有する人食い鬼が住む、立派なお城に辿り着きました。猫が鬼に「どんなものにも姿を変えられるそうですね」と持ちかけると、鬼はネズミに変身してみせました。猫はネズミを食べてしまい、お城を乗っ取ることに成功します。三男は、猫のおかげで人食い鬼の所有する土地とお城を手に入れました。
王さまをお城に招き、豪華なおもてなしをしたことで王さまに気に入られた三男は、お姫さまと結婚しました。猫の言ったとおり、いい暮らしを手に入れることができたのです。
「長靴をはいた猫」から学べる教訓
「長靴をはいた猫」からは、「役に立たないと思ったものでも役に立つことがある」「見た目で判断してはいけない」といった教訓が読み取れます。
役に立たないと思ったものでも役に立つことがある
三男は最初に猫をもらったとき、「飢え死にするかもしれない」と悲観的になりました。長男や次男がもらった水車小屋やロバよりも、猫は役に立たないという認識があったのでしょう。しかし、猫は三男をいい暮らしへと導いてくれました。
このように、一見役に立たないと思ったものでも、役に立つことがあるのです。
見た目で判断してはいけない
猫は小さく何の役にも立たないような見た目をしています。しかし、とても賢く行動力があり、三男のために尽力します。見た目で判断してはいけないというメッセージも伝わってきますね。
子供に読んであげたい「長靴をはいた猫」のおすすめ絵本
「長靴をはいた猫」は、さまざまな出版社から絵本が発売されています。ぜひ子供に読んであげてみてくださいね。
ながぐつをはいたねこ(金の星社)
金の星社の「ながぐつをはいたねこ」は、絵本作家・いもとようこのかわいらしい絵とともに物語を楽しめますよ。優しい雰囲気のイラストが好きな人におすすめです。
ながぐつをはいたねこ(永岡書店)
永岡書店の「ながぐつをはいたねこ」は、アニメ調のイラストが特徴的な絵本です。色彩がはっきりとしているので、小さい子供でも読みやすいかもしれませんね。
ながぐつをはいたねこ(小学館)
小学館の「ながぐつをはいたねこ」は、子供に人気の絵本「11ぴきのねこ」の作者・馬場のぼるによるイラストが描かれています。11ぴきのねこが好きな子供は、喜んで読んでくれそうですね♪
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「長靴をはいた猫」は、主人のために猫が活躍する姿を描いた物語です。先ほど紹介したように、絵本はさまざまな出版社から発売されていますが、それぞれ細かい設定や内容が異なる場合があります。何冊か読み比べてみるのもおもしろそうですね。ぜひ子供といっしょに、「長靴をはいた猫」の物語を楽しんでみてください☆
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