ピノキオの簡単なあらすじとともに、登場人物や、ピノキオの教訓などを紹介します。おすすめのピノキオの絵本も紹介するので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ピノキオの簡単なあらすじ
ゼペットさんは、木製のあやつり人形を作りました。ピノキオと名付けられた人形は勝手に動き出し、イタズラばかりします。コオロギに「いい子にしないと本物の子供にはなれない」と言われたピノキオは、ゼペットさんに「本物の子供になりたい」と伝え、学校に行かせてもらうことにしました。
しかし、途中で学校へ行くことを忘れて、教科書を売って人形劇を観に行ってしまいます。人形たちに誘われるがまま遊びに行ってしまうピノキオ。人形たちの質問に対して嘘をつくたびに、彼の鼻はニョキニョキと伸びていきます。
そこへ再びコオロギが現れ、ゼペットさんがピノキオを探しに荒れた海へ出かけたことを教えてくれました。ピノキオは急いで海に向かいますが、なかなか見つかりません。荒れ狂う海のなかで、ピノキオは大きなクジラに飲み込まれてしまいます。そこで、同じくクジラに飲み込まれたゼペットさんに再会するのです。
ピノキオは自分の行動を反省し、ゼペットさんを助け出すことを決意します。無事に脱出に成功したピノキオとゼペットさんは、家に帰ることができました。
翌朝、ピノキオが目覚めると、本物の子供になっていました。
※ピノキオの絵本は原作を元にした再話本となるため、登場人物や細かい設定が異なる場合があります。
ピノキオ原作「ピノッキオの冒険」は怖い?
ピノキオの原作は、イタリアの作家、カルロ・コッローディの児童文学作品「ピノッキオの冒険」です。1883年に出版されてから、世界中の子供たちに愛されており、日本でも翻訳されています。
「ピノッキオの冒険」は、インターネット上で「怖い」といわれているようです。国立国会図書館デジタルコレクションで原作の内容を確認したところ、子供には残酷に感じるであろうシーンが多くありました。原作のなかでとくに怖いと感じるポイントをピックアップして紹介します。
参照:ピノッキオの冒険(中央出版社)、コッローディ 著、柏熊達生 訳、昭和23年出版
コオロギが木槌で叩かれて亡くなってしまう
絵本にも登場するコオロギは、原作でも「親に逆らって家を飛び出すような子供はひどい目にあう」とピノッキオに苦言を呈します。しかし、ピノッキオはちっとも聞く耳を持ちません。
コオロギに、ただの操り人形であることを指摘されたピノッキオは、怒りのあまりコオロギに木槌を投げつけます。あたりどころが悪く、コオロギはそのまま亡くなってしまうのです。
事故とはいえ、コオロギがピノッキオの投げた木槌によって死んでしまうなんて、衝撃的な展開ですよね。なお、コオロギは後に亡霊となり、ピノッキオを咎めるために再登場するほか、クライマックスでは仙女(妖精)によって助けられ元気な姿で登場しますよ。
キツネとネコに吊し上げられてしまう
ディズニー映画と同じく、原作には悪者のキツネとネコが登場します。ピノッキオは持っていた金貨をキツネとネコに盗まれてしまうなど、何度もひどい目にあいます。2匹に騙されて捕まってしまったピノッキオは、木に吊し上げられて死にかけますが、仙女に助けてもらい、難を逃れられました。
物語の終盤では、老いぼれて物乞いをするキツネとネコが登場します。キツネとネコにもしっかりバチが当たっていたようです。
ロバになってひどい仕打ちを受ける
原作には、ロメオ(燈しん)という悪友が登場します。怠け者のロメオはピノッキオをおもちゃの国に誘い、断りきれずついていってしまったピノッキオは、5か月もの間、ただただ遊んで暮らしました。
ある日、ピノッキオは自分にロバの耳が生えていることに気づきます。そこで、おもちゃの国に来た子供はロバになってしまい、市場に連れていかれて売り飛ばされてしまうことを知るのです。ロバになったピノッキオとロメオは売られてしまい、皮がむけるほど鞭で叩かれるなど、ひどい仕打ちを受けます。最終的に、ピノッキオは水のなかに沈められてしまいました。絶体絶命のピンチでしたが、ピノッキオは仙女のおかげで操り人形に戻ることができ、物語は続きます。
終盤で、ピノッキオはロバになったロメオと偶然再会しますが、その直後、ロメオは飢えと過労で亡くなってしまいます。子供向けの物語とは思えない、非常に残酷なストーリーです。
巨大なサメに飲み込まれてしまう
絵本やディズニー映画では、物語終盤で大きなクジラに飲み込まれてしまいます。一方、原作でピノッキオを飲み込むのは、巨大なサメです。サメの体内でピノッキオは1匹のマグロに出会ったあと、ゼペットさんに再会します。ピノキオは、サメが寝ている隙を見計らって、ゼペットさんといっしょに脱出しました。
クジラも十分怖いですが、サメの方がより怖さが増しますよね。脱出後、溺れそうになっているピノッキオとゼペットさんを、サメの体内で出会ったマグロが助けてくれるシーンもありますよ。
ディズニー映画「ピノキオ」との違い
ピノキオと聞くと、ディズニー映画を思い浮かべる人も多いかもしれません。東京ディズニーランドにも「ピノキオの冒険旅行」というアトラクションがありますよね。2022年には、Disney+で実写版映画が配信されました。
ディズニー映画のピノキオは、絵本のピノキオと比べて、登場人物が多く、それぞれ名前がついています。性格や役割にも違いがありますよ。絵本や原作と見比べてみるのも面白そうですね☆
ブルー・フェアリー
美しい妖精のブルー・フェアリーは、原作では仙女として描かれています。美しいだけでなく、ゼペットさんの願いを叶えるやさしさや、ピノキオに鼻が伸びるという罰を与える厳しさもある人物です。
ジミニー・クリケット
絵本のピノキオにも登場するコオロギは、ディズニー映画では、ジミニー・クリケットという名前がついています。ブルー・フェアリーによって、何も知らないピノキオに善意を教えるという大役を任された、ピノキオの良心役を務める存在です。
正直ジョンとギデオン
原作で登場する、ピノキオをそそのかす悪者のキツネとネコにも名前がついています。正直ジョンは、ピノキオを言葉巧みに騙すずる賢いキツネで、J・ワシントン・ファウルフェローという別名があります。正直ジョンの相棒のネコであるギデオンは、少し間抜けな性格です。
フィガロとクレオ
フィガロとクレオは、ディズニー映画のオリジナルキャラクターです。フィガロはゼペットさんのペットのネコ、クレオはゼペットさんが飼っている金魚です。フィガロとクレオは大の仲良しとして描かれています。
クレオはゼペットさんといつも行動を共にしているようで、ゼペットさんがクジラに飲み込まれたときも、いっしょに描かれています。
ピノキオの教訓
ピノキオのストーリーからは、「嘘をついてはいけない」「誘惑に惑わされてはいけない」「信じていれば夢は叶う」という教訓が読み取れます。
嘘をついてはいけない
ピノキオは、嘘をつくことで鼻がニョキニョキ伸びてしまいます。嘘をつくとよくないことが起こることを、子供たちに伝えたかったのではないでしょうか。
誘惑に負けてはいけない
学校に行かずに遊びに行ったせいで大変なことに巻き込まれたピノキオのように、本来やるべきことをやらずに怠けてしまうことも、悪い結果を招きます。誘惑に負けず、正しいことを行ってほしいというメッセージが込められているように感じますね。
信じていれば夢は叶う
ピノキオはずっと本物の子供になりたいと願っていました。さまざまな困難があっても、信じていれば夢は叶うことを、最終的にメッセージとして残したのではないでしょうか。
ピノキオのおすすめ子供向け絵本&ブルーレイディスク
最後に、子供向けのピノキオの絵本とブルーレイディスクを紹介します。
ピノキオ(金の星社)
金の星社の「ピノキオ」は、絵本作家・いもとようこの美しい絵が魅力的な作品です。読みやすく、子供にもわかりやすい内容で、読み聞かせにもぴったりな1冊ですよ☆
世界名作アニメ絵本 ピノキオ(永岡書店)
永岡書店のアニメ絵本シリーズの「ピノキオ」は、色彩がはっきりとしたアニメ調のイラストが人気です。同シリーズには世界の名作が多く揃っているので、ほかの作品も合わせて読んでみてください♪
ピノキオ MovieNEX(ウォルト・ディズニー・ジャパン)
ディズニー映画「ピノキオ」のブルーレイディスクです。ブルーレイで視聴できるほか、スマートフォンで映画本編を観られるデジタルコピーサービスがついているので、いつでもどこでもピノキオの映画が観られるようになりますよ☆約2時間半のボーナス・コンテンツも収録された、ピノキオファンにとってうれしい1枚です。
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ピノキオのあらすじや、原作・ディズニー映画との違いなどをお伝えしました。筆者は今回、原作を初めて読んでみましたが、児童文学とは思えないほど残酷なシーンが多くあることに驚きました。ピノキオに限らず、さまざまな作品の原作をチェックしてみると、おもしろい発見があるかもしれません。ぜひ、作者が伝えたかったことを考えながら、子供といっしょに物語を読んでみてくださいね。
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