アニメや漫画でよく出てくる口笛に、憧れる子供も多いのではないでしょうか?「夜に口笛を吹いてはいけない」という言い伝えもありますが、色々な話を聞けば聞くほど余計にやってみたくなるのが子供の好奇心。
口笛は練習してコツをつかんでさえしまえば、子供でも「絶対にできない」ということはありません!ここでは口笛の吹き方やコツを解説します。
子供への教え方のコツもご紹介しますので、ぜひ参考にして親子でマスターしましょう!
口笛で音が鳴るのはなぜ?
そもそもどうして口笛が鳴るのでしょうか?
口笛を吹くときに口をすぼめて空気を吐きます。吐くときに空気の流れが出来ますが、流れる音が口の中で反響して大きくなり、口笛の音となります。
口の中の反響で音が作られるので、 舌の動きによって口の中の空間(容量)の大きさを変えることが、口笛の鳴らしたり音程を変えたりする重要なポイントと言えます。
子供にもできる!口笛のコツ2つ
口笛を吹くコツは、大きく分けると2つあります。子供でもマスターしやすい練習の仕方と併せてご紹介します。
口の形と舌
口笛を成功させるには、まずは口の形と舌の位置が大切です。
口の形は軽くすぼめる形になります。このとき口の先を大きく突き出して吹くと音が鳴りそうに感じますが、そこまで力を入れずに軽くすぼめる程度でOK。
子供にはロウソクの火を吹き消すイメージ、と伝えると分かりやすいでしょう。しかも勢いよくではなく、「優しくそーっと吹き消してね」と伝えてあげれば、余計な力も入らない自然な形が分かると思います。
舌の位置は、下の前歯の裏側につけます。 ロウソクを吹き消すイメージで息を吐けば自然と理想的な位置に収まっていると思うので、子供が息を吹いてみたときに、「舌の位置はどこにある?」と聞いてみましょう。
答えがよほどおかしな位置に無ければ、そのまま「ひゅーひゅー」と空気の流れる音が口笛に近づいてくるように練習してみてください。
息の出し方
口笛を吹くときは、腹式呼吸で息を吐くことも大切なポイントです。
腹式呼吸とは、鼻から息を吸って胸ではなくお腹(おへその下辺り)に空気を溜めて、口から吐き出す呼吸法です。
子供にはシャボン玉を吹くイメージを伝えてみましょう。
「たっぷり息を吸って、ゆっくり大きなシャボン玉を作ってみよう」と伝えてあげると、自然と腹式呼吸ができるはず。その呼吸を忘れないように何回かいっしょに練習してあげてください。
前章で紹介した口の形と舌を、腹式呼吸と組み合わせれば、口笛の音にぐっと近づきます。
口笛を吹いてみよう!
いままで何となく吹いていた口笛でしたが、やり方をしっかり確認してからチャレンジしてみました!
プロの口笛奏者の方が解説している、こちらの動画がとっても分かりやすい!
舌の位置を意識して音を出すようにしたことで、高い音がかすれた空気音のような音ではなく、しっかり芯のある音が出るようになりました♬
口に力が入ってしまっていたのも、適度に緩めることで舌が動かしやすくなってより口笛を吹きやすくなったように感じます。
何となく吹いていたときは、「口笛ってどうやって吹くの?」と聞かれると、自分でもイマイチ分からず答えられませんでした。しかしコツを押さえて理解できていれば、分かりやすく教えてあげられそうです♬
慣れてきたら音階にも挑戦!
口笛で音が出るようになってきたら、音階にも挑戦してみましょう!
音程を変えられるようになれば、口笛で歌えるようになってより楽しくなりますよ♪
口笛で音程を変えるポイントは、舌の位置。下の前歯に舌がついた状態で口笛を吹きますが、その位置を微妙に上下させることで、口の中の空間の大きさが変わり音程が変わります。
音が響く空間が広いほど低い音が出せ、狭いほど高い音が出せます。
そのため舌を上に動かして空間を狭めれば高い音が、舌を下に動かして広くすれば低い音が出ます。
この音程の仕組みは、口笛に限ったものではありません。例えばバイオリンとコントラバスを考えると、小さいバイオリンが高音を出すのに対し、大きいコントラバスは低音楽器です。
弦楽器は中の空洞部分で音を反響させるため、空洞の狭いバイオリンは高音を、空洞の広いコントラバスは低音を出せるのです。
最初はなかなか感覚が掴みにくいかもしれません。まずは音の出しやすいところで口笛を鳴らし、息を吐き続けたまま舌をゆっくり動かしてみましょう。
自然に音程が変わる感覚を徐々に掴めてくれば、自由自在に口笛で演奏できるようになります!
口笛にデメリットはある?やりすぎはNG?
夢中で練習していると、口の周りが疲れてきてしまいます。段々吹けるようになってくるとついたくさん遊んでしまいそうですが、適度に休憩しつつ楽しむのが良さそうです。
口笛を吹いて口の周りが疲れてくるのは、「口輪筋」という口の周りの筋肉を使っているからです。ただし、じつはこの筋肉を使うことは、口笛の大きなメリットのひとつ!
子供がテレビを見たり本を読んだりしているときに、口をぽかーんと開けっ放しにしていることはありませんか?
これは「お口ポカン」と呼ばれ、以下のような問題が心配されています。
- 鼻呼吸をすれば入りにくい細菌やウイルスを、口呼吸では直接吸ってしまう
- 寝ている間いびきをかきやすくなり、眠りが浅くなる
- 口が乾燥し、虫歯や口臭の原因になる
- 口呼吸をすることで自然と顎が持ちあがり、姿勢が悪くなる
このような心配がある「お口ポカン」を防ぐには、口輪筋を鍛えることが大切で、その方法として口笛が有効とされています。
吹けるとうれしい口笛ですが、健康面でもじつはメリットが期待できます。ぜひ練習したい遊びのひとつと言えそうですね。
参考:うちの子、テレビを観てるとき「お口ぽかん」になってない?小児歯科専門医が警鐘を鳴らす口呼吸のリスクを今すぐチェック!
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コツを掴めないうちは、口に余計な力を入れてしまってなかなか口笛をうまく吹けないこともあるかもしれません。しかしコツも決して難しくはないので、子供が普段できていることを交えながら伝えてあげれば、ふとした拍子にうまく吹けるようになりますよ!
正しい呼吸の仕方を身に付ける手助けにもなる口笛は、楽しくてメリットいっぱいの特技と言えます。いっしょに練習してあげて、親子で演奏できるくらいマスターできたら楽しいですね。