こんにちは、ごっこランドTimesライターのshimamuです。
日本で有名な昔話のひとつに「浦島太郎」があります。読んだことはあるけれど、最後はどのようになったか、あらすじを忘れてしまった人もいるのではないでしょうか。
浦島太郎が鶴になる原作との違いや、「意味がわからない」といわれてしまうあらすじを詳しくまとめてみました。
読み聞かせにぴったりな、子供向けの絵本・DVDも紹介していますので、親子で物語を楽しんでみてくださいね。
浦島太郎のあらすじを短く簡単に紹介
海辺に住む若者「浦島太郎」が主人公です。海岸で子供にいじめられていた亀を助けたのが、物語の始まり。亀はお礼として、浦島太郎を背中に乗せて、海のなかの楽園「竜宮城」に連れて行きます。
竜宮城では、美しい乙姫様が出迎えてくれました。乙姫様や魚たちに囲まれ、ご馳走を食べて幸せに暮らした浦島太郎。数年経った頃、故郷に残してきた両親や友人を懐かしく思い出し、帰りたいという願いを持つようになります。
乙姫様は、決して開けてはならないという条件を付け、「玉手箱」を渡しました。浦島太郎は玉手箱を受け取り、亀の背中に乗って海上に戻ります。
しかし故郷に帰ると数百年が経っており、家族や友人はすべて亡くなっていることに気づいたのです。浦島太郎は街中で見知らぬ風景に驚き、自分の置かれた状況に深く悲しみました。
一人になってしまった浦島太郎は、寂しさから約束を破り、玉手箱を開けてしまいます。気づくと浦島太郎は、髪の毛も髭も真っ白なおじいさんに変身してしまいました。
浦島太郎の登場人物
物語の主人公。海辺の小屋に住んでおり、魚を採って生計を立てている。いじめられていた亀を助ける勇気がある、優しい青年。 | |
竜宮城に住むお姫様。美しい容姿をしている。地上に帰りたいと願った浦島太郎に、玉手箱を渡す。 | |
海辺でいじめられていた亀。助けてもらったお礼に、浦島太郎を竜宮城へ連れて行く。物語によっては、乙姫様が変身した姿とする場合も。 |
上記のように浦島太郎の登場人物は、さほど多くはありません。表のほかには、亀をいじめていた子供や浦島太郎の両親、竜宮城に住む色鮮やかな魚たちが出てくる程度です。
浦島太郎の原作「御伽草子」との違いは?
浦島太郎は、奈良時代から伝わり、日本最古の伝説ともいわれている「浦島子伝説」が元になった物語です。現在も京都の伊根町の浦嶋神社には、絵巻などが大切に保管されています。
現代語り継がれている浦島太郎の原作とされているのは、室町時代から江戸時代にかけて書かれた短編集「御伽草子」です。現在語り継がれている浦島太郎と、御伽草子に描かれた内容の違いについて、みてみましょう。
亀をいじめる子供が出てこない
物語の浦島太郎は、海辺で子供にいじめられていた亀を助け、お礼に竜宮城に招待されます。しかし、御伽草子には亀をいじめる子供たちは出てきません。
御伽草子の浦島太郎は、魚を採って生計を立てていました。あるとき釣りをしていたところ、亀を一匹釣り上げます。鶴は千年、亀は万年という言葉があるように、亀は長生きをする生き物として知られていることから、命を奪わず海に返してあげました。
助けた亀がじつは乙姫
御伽草子では、乙姫様は亀の化身として描かれています。浦島太郎が亀を海に返した翌日、美しい女性(乙姫)が小さな船に乗り、波に揺られていました。故郷に帰りたいという願いを聞き入れ、二人は海へ漕ぎだします。
十日ほど船を漕ぎ、ようやくたどり着いたのが乙姫様の故郷である竜宮城です。物語では海のなかにある竜宮城は、御伽草子では銀の築地と金の屋根瓦がある、異国の城として表現されています。
浦島太郎と乙姫様は深い縁を感じて夫婦となり、竜宮城で仲良く暮らします。
浦島太郎は最後に鶴になる
竜宮城で楽しく暮らしていた浦島太郎は、家に残してきた両親のことが気になり、帰郷を願います。
乙姫様は、じつは以前浦島太郎に助けられた亀であることを明かしました。そして「帰郷されるならば、私の形見として持っていてください。ただし、決して開けてはいけません」と、玉手箱を渡すのです。
帰郷した浦島太郎は、すでに700年の時間が経っていることに気づきます。絶望した浦島太郎は、玉手箱を開けてしまいました。御伽草子では、玉手箱を開けた浦島太郎はおじいさんではなく、鶴になります。
鶴となって飛び立った浦島太郎は丹後国に浦島の明神(みょうじん)として現れることに。同じ場所に亀として現れた乙姫様と再会し、夫婦の神として結ばれたのでした。
浦島太郎の教訓は?
語り継がれている物語にも、御伽草子の浦島太郎にも、共通している部分がいくつかあります。浦島太郎に込められた教訓について、考えてみましょう。
良い行いは自分に返ってくる
浦島太郎は、子供にいじめられた亀を助けるという良い行いをしたため、竜宮城に招待されます。これは、「良い行いをすれば自分に返ってくる」という教訓になるでしょう。
目の前の楽しいことに溺れてはいけない
浦島太郎は竜宮城で、おいしい食事や美しい女性に囲まれ、楽しく過ごします。竜宮城での生活に夢中になりすぎて、故郷に残してきた両親や友人のことをすっかり忘れてしまいました。
浦島太郎が故郷に戻ったときには、知っている人が誰もいなくなってしまいます。これは、目の前の楽しいことだけでなく、大きな視野を持って生きた方がいいという教訓ではないでしょうか。
約束を守ることの大切さ
竜宮城を去るときに、乙姫様が用意した玉手箱。乙姫様は「決して開けないで」と約束をして、浦島太郎に渡します。しかし、浦島太郎は約束を破り、玉手箱を開けておじいさんになってしまいます。
約束を守ることの大切さを、読む人に伝えているのではないでしょうか。
浦島太郎のおすすめ子供向け絵本とDVD
浦島太郎の物語は、多くの絵本や映像作品として残されています。子供といっしょに楽しめる、おすすめの作品をピックアップしました。
はじめてのめいさくえほん「うらしまたろう」
未就学児の子供にもおすすめ!数々の絵本を描いている、いもとようこさんの浦島太郎です。ほんわかした浦島太郎や乙姫様、海のなかの様子に癒されますよ♪
小さい子供向けに描かれているので、読み聞かせにちょうどいい文章量です。桃太郎や金太郎など、ほかの昔話も販売されているので、併せてチェックしてみて。
うらしまたろう(いわさきちひろの本)
水彩画の挿絵が美しい、いわさきちひろさんが描く浦島太郎。本当に竜宮城に訪れたかのような、非現実的な世界が描かれています。
アニメ風のはっきりした絵ではないので、子供の好き嫌いは別れるところ。読み聞かせはもちろん、大人が読んでも感動できる絵本です。
音でよむ昔ばなし3 うらしまたろう
オノマトペ(擬音・擬態音)と絵だけで楽しめる、低年齢向けの絵本です。浦島太郎が亀に乗って竜宮城へ向かうシーンは「ぱしゃぱしゃ」「ざぶざぶ」「すいすい ぐいーん」と描かれています。
音で読む絵本なので、0歳のうちから読み聞かせできるのが魅力。一方的でなく、子供といっしょに声に出して読んでみてもいいですね。
浦島太郎が語る浦島太郎(1人称童話)
普通の絵本に飽きてしまったら、1人称で語られる珍しい浦島太郎はいかがでしょうか。客観的ではなく主観的な語り口や視線で進む物語は、新感覚で楽しめるはず。
物語を知っている子供なら、「浦島太郎はこう思っていたんだ」と感心するかもしれません。最後には「自分が浦島太郎であったらどうするか?」を考えるきっかけにもなります。物語のなかに入って楽しめる絵本といえるでしょう。
ふるさと再生 日本の昔ばなし「浦島太郎」
絵本が苦手な子には、DVDで映像として見せてみるのもおすすめ。浦島太郎をはじめ、「金太郎」「力太郎」「宝くらべ」など、日本の昔話が多数収録されています。
カラフルなアニメや音楽といっしょに、浦島太郎の世界を楽しんでみてください。
浦島太郎は意味がわからない?口コミレビューまとめ
浦島太郎のストーリーは、大人が読むと「意味がわからない」と思うことも。SNSやネットショップのレビューから、口コミをまとめてみました。
- 亀を助けた優しい青年が老人になってしまうのは、かわいそうだと感じた
- 子供に物語の意味を説明するのが大変だった
- これほど有名なのに、これほど理解不能なお話は珍しい
- 浦島太郎は本当に幸せだったのか、考えさせられた
- なぜ乙姫様は、老人になってしまう玉手箱を渡したのか
亀を助けていいことをした主人公が、最後は独りぼっちの老人になってしまう。読み聞かせをしていると、最後のページで驚く子が多いようです。
ある程度ものごとを理解できる子供に読んであげる場合は、「なぜ?」「どうして?」という質問が飛んでくるのは覚悟した方がいいかもしれません。
浦島太郎を子供といっしょに楽しもう!
大人が読んでも、不思議な話だと感じる「浦島太郎」。謎が多いからこそ、子供といっしょに楽しめる物語です。
「乙姫様は浦島太郎のことをどう思っていたのかな?」「なぜ浦島太郎は玉手箱を開けてしまったんだろうね?」と子供に聞いてみてください。おもしろい答えが返ってくるかもしれませんよ。
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